高額療養費って難しくてよくわからない
上限が8万円ってなっているけど、入院費も8万円で済むのかな?
私も入院中に高額療養費についてたくさん調べました
切迫早産で入院したときに気になる医療費。
医療費がいくらかかるのか調べていると必ず「高額療養費」が出てきます。
本記事では、私の実際の入院費をもとに、高額療養費の押さえておきたいポイントについて解説します。
▼切迫早産の入院で利用できる制度についてはこちら
高額療養費って?
高額療養費制度は、健康保険に加入していればどなたでも対象になる制度です。
医療機関で支払う1カ月の医療費が上限を超えた場合、その超えた金額が払い戻しされます。
例えば・・・
年収約370~770万円の場合、1カ月の上限は約8万円になります。
医療費(保険診療分)の窓口負担が30万円だった場合は、約8万円を超えたおおよそ22万円が支給されます。
医療費の上限があるのはとても助かります
対象
健康保険に加入している人。扶養の場合も含む。
申請方法
組合によって異なるため、加入している健康保険組合(もしくは職場の人事)に確認しましょう。
高額療養費の押さえておきたいポイント
高額療養費を使えば、今回の入院費も8万円くらいで済むのかな?
医療費の上限が定められている高額療養費制度。
大変ありがたい制度なのですが、計算方法が少し複雑だったり、この上限に含まれない項目がいくつかあります。
結論から言うと、高額療養費で上限が8万円となっていても、実際の医療費は8万円では済まないのが現実です。
私は高額療養費を利用しても19日間の入院で12万円ほどかかりました
切迫早産で入院した時に気を付けたい高額療養費のポイントは以下になります。
- 医療費の上限は所得に応じて決まっている
- 入院中の食事代、差額ベッド代は対象外
- 自費診療分は対象外
- 「1カ月の医療費」は、1日から末日までの1ヶ月で算定
- 限度額適応認定証があれば窓口での負担が限度額で済む
1つずつ確認していきましょう
ポイント①:医療費の上限は所得に応じて決まっている
医療費の上限額は、所得によって異なります。
夫の扶養に入っている場合は、適応区分は夫の年収をチェックしましょう
ポイント②:入院中の食事代、差額ベッド代は対象外
入院した場合の食事代や個室の場合は、別途かかります。
例えば、10日間入院した場合の食事代は、約14,000円になります。
高額療養費の上限額にプラスして、食事代の約14,000円が別途かかります。
■入院中の食事代
標準負担額で「1食460円」と決まっています。
<10日間入院した場合>
1食460円×3食×10日間 = 13,800円
ポイント③:自費診療分は対象外
保険適応外(自費診療)の検査なども対象外になります。
つまり、高額療養費の上限額、食事代などにプラスして、自費診療分も別途かかります。
私の場合は、自費診療分が13,726円かかりました
>>自費診療分の内訳はこちら
ポイント④:「1カ月の医療費」は、1日から末日までの1ヶ月で算定
医療費は「1日から末日までの医療費」で算定されます。
そのため、高額療養費の上限は1ヵ月分の医療費の上限になります。
入院が月をまたいだ場合は、その月ごとに医療費を計算します。
例えば・・・
・上限額が「区分ウ:約8万円」
・医療費(保険診療分)の3割負担分が60万円
だった場合。
入院期間が月をまたいで1月30万円、2月30万円かかった場合は、1月と2月で別々に計算されます。
そのため、最終的な医療費(保険診療分)の自己負担額は、約16万円になります。
・1月分の上限額:約8万円
・2月分の上限額:約8万円
⇒ 合計:約16万円
ポイント⑤:「限度額適応認定証」があれば窓口での負担が限度額で済む
通常は、退院時に窓口で医療費(3割分)を支払い、数か月後に上限を超えた分が払い戻されます。
払い戻しには3か月程度かかります。
3か月後に払い戻しがあるにしても、一時的に大金を負担するのは大変
ところが、「限度額適応認定証」を提示すれば、窓口での支払いが限度額で済みます。
認定証があると、高額療養費分を支払わないので、一時的に大金を負担しなくて済みます
ただし、医療費の窓口負担が、限度額で済むのは、認定証を提示した月からになります。
提示が間に合わなかった月は、窓口で3割支払うことになるため、早めに認定証を申請しましょう。
高額療養費と限度額適応認定証の違い
高額療養費は、医療費が区分の上限額を超えた場合に、その超えた分を支給する制度。支給は後日。
限度額適応認定証は、窓口ので支払いが上限額で済む認定証。
病院が「オンライン資格確認」を導入している場合、保険証を提示すれば病院側で資格(区分・上限額)を確認してくれます。
認定証の申請を行わなくても、窓口での支払いが区分の上限額になります。
入院していた病院では「オンライン資格確認」を導入していたので、オンライン資格確認の利用の同意書を記入するだけで済みました
【体験談】19日間の入院費。窓口負担と実際のレセプト
こちらが実際のレセプトです。
窓口で支払った医療費は、合計122,828円でした。
オンライン資格確認(限度額適応認定証)により高額療養費が適応されています。
レセプトを見ただけだとよくわからない
確かにレセプトをみただけだと、何がなんだかわからないですよね。
支払った医療費を次の3項目に分類してそれぞれ確認してみましょう。
- 保険診療分(高額療養費)
- 食事代
- 自費診療分
①保険診療分(高額療養費)
医療費のうち保険診療分に高額療養費が適応されます。
高額療養費のひと月の上限額は次の計算式で求められます。
80,1000 + (医療費 – 267,000)× 1%
今回のレセプトの場合、計算式の「医療費」に該当する部分は「診療総金額 637,180」になります。
10割負担だったら63万円もしたんですね
これを計算式に当てはめて計算すると・・・
80,1000 +(医療費 – 267,000)×1%
=80,100 +(637,180 – 267,000)×1%
=80,100 + 3,701.8
=83,802円
よって、保険診療分(高額療養費の適応分)は、83,802円になります。
医療費が8.3万円でも高いけど、3割だと21万円だったから高額療養費があってよかった
②食事代
今回のレセプトでは、食事代は25,300円でした。
食事代って結構高いんですね
病院食は「1食460円」と決まっています。
今回は、19日間で55食だったので
1食460円 × 55食 = 25,300円 となりました。
③自費診療分
今回のレセプトでは、自費診療分は13,726円でした。
総合病院に初診で入院したので血液検査が2つもありました
- 血液検査 10,270円
- 総合病院だったため、初診時に血液検査が必須になっていた
- 院内製剤 3,456円
- 膣内に投与していた抗炎症薬が院内製剤だった
私は初診で入院だったので、これまでかかっていた病院に入院であれば血液検査はないかもしれませんね
上限8万円だけど窓口負担12万円
窓口で支払った医療費の内訳をまとめると、次のようになります。
区分ウの上限は8万円ですが、窓口での支払いは12万円ほどになり、上限8万円を大きく超えてしまいました。
高額療養費には食事代・自費診療分が含まれないので、その点が8万円で済まなかった理由になります。
- 19日間の食事代が2.5万円と思いのほか高くついた
- 総合病院に初診で入院だったので、血液検査料1万円がかかった
- 入院期間が月をまたがなかったので「①保険診療分」が8.3万円で済んだ
月をまたいでいたら倍の16万円かかっていた可能性もありますね
まとめ│高額療養費では食事代などが対象外なので最終的な自己負担は8万円では済まない!
高額療養費では、食事代や個室代、自費診療分が対象外になります。
また、医療費の計算は月ごとなので、月をまたぐと同じ入院期間でも高くついたりします。
負担する医療費(保険診療分)に上限がある高額療養費ですが、最終的な支払いは上限額では済まないので、気を付けましょう。
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